オレが学校のデスクでのんびりと雑誌を読んでいる所に、ショーンが来た。ついでにランディも…。 「よーフィリップぅ。今学期もオール学年一位おめでとーう。」 「相変わらず凄えなフィリップ。」 僻み入った言い方をした方がランディ。軽く賞賛した方がショーン。ショーンとはボクシング仲間だ。 「別に一位取りたくて取った訳じゃねえんだけどな。」 「ほほ〜ぅ…。の割にはフィリップ君勉強超頑張ってたよね〜ェ。」 「あ、あれは別に…」 「確かアレだろ、弟に教えるためって…」 「いいいい言うなよッ!!!」 「何で隠すんだよ。別に変な事でもねえだろうよ。」 「何だよ何だよ…。オレだけハブかよ…。…何にしてもよー、一位取った事実は変わんねえ!!」 ランディはオレに向かってびしっと指を指す。 「…何だよ。オレが一位取ったのは悪ィってか。」 「悪ィ!」 「即答か…」 「一人はいるよなー。こういう僻み野郎。」 そして徐にランディはオレのデスクにどんと両手を付き、顔を近づける。…寄らないでくれ…。 「大体だなあ。お前はなあ、親からしてずるいんだよ。 親父さんはプロボクサーだしお袋さんは美人だし弟だっけか?いつも迎えに来てる奴。 アイツも良い子そうだしよオ。おまけにお前は頭も良いしスポーツ万能だし ボクシング強えし女とロクに喋んねえくせにモテるしよぉ〜ッ!!!」 半眼でランディを見つめてポツリと呟く。 「…ショーン…悪ィけどランディ黙らしてくれ。」 「ほいさ来た。」 軽く返事を返してショーンは軽々とランディを持ち上げ、笑顔で上下に揺する。 「ちょっぉ、おま、やめっ…!!卑怯だぞおまえらっ… ちょ、マジ気持ち悪ぃてッゴメンショーンお願い下ろしてっ…」 「…下ろしてやってくれ。」 「何だよもうかよ。根性無いなランディ。」 「うるせえこの筋肉ダルマ共ッ!!!」 オレは一つため息をつき、ランディを半眼で見る。 「まあな。父さんを羨ましがるのは良ぉ〜く解る。なんたってあのジャスティスゲイルだからなぁ。」 少し得意げに軽く自慢をしてみる。たまにはこういうのも良いかもな。 「…ムカつく…」 「ホント、オレも羨ましいぜー。オレの親父なんて只のリーマンだからなあ。」 「ま、今更僻むなって事だぜランディ。」 「こんにゃろう〜〜ッ…」 ジリリリリリリリリリリリ… …チャイムが鳴った。次の授業だ。 「おっとタイムリミットだ。じゃ、オレは先に行ってるぜ。」 「んじゃあオレも。遅れんなよランディ。」 「ちょッ!!お前らオレを置いてくなぁ〜ッ!!!」